メールマガジン:オニオンタームス

発行:たまねぎ須永(須永武人)

■まぐまぐ!版
 パソコンの大きな画面で見たいという声にお答えして、まぐまぐ版の発行をしてます。
 ……まぁ、両方やるのはめんどうなうえに、ミニまぐという概念自体が終わったようなものなので「まぐまぐ!版」一本にまとめました。
 
 まぐまぐ!版はミニまぐ版よりも遅れてスタートですので、ミニまぐ版に追いつくまでは、読み応えたっぷりの2000文字程度の分量で配信していました。
 ほぼ月刊ペースを目指しつつ、不定期でお送りしています。

■ミニまぐ版(廃刊)
 ミニまぐ版を、2008年1月成人の日から配信しております(2007年末に準備号もありましたが)。2012年6月11日号まで通算112号発行しました。
 この携帯メールマガジンは、月3回の連載読み物〈うつりかわり〉と、不定期に同人ゲームのサークル〈オニオンワークス〉の情報でお送りしようとしてました。

■内容について

 毎月17日の19時頃に1回くらい発行したいと夢見ておりますが、現在不定期発行になっております。
 ときどき、それ以外にも発行します。
 TRPGリプレイ編と読み物編は毎回2000字くらいのつもりです。情報号は1000字くらいでしょう。

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連載読み物〈うつりかわり〉サンプル

 ある昼下がり。
 ツェナの入室の挨拶に、女僧侶は小さく微笑みを返す。今日も相変わらず、向日葵のような香りをまき散らすツェナを見ていると、書物に視線を戻すのがばかばかしくなってきた。
「アゾルデさん、何を読んでるのですか?」
 ツェナの問いに、アゾルデは表紙を掲げてみせる。
「よくありがちな冒険譚ですよ。ありがちなだけに驚きもなく、のんびり読むことができて時間つぶしにもってこいです。ツェナさんもお読みになります? お貸ししますよ」
「んー、どうしようかなぁ」
 ツェナは眉を寄せて考え込むが、年よりも若干幼い顔立ちのせいかあまり深刻そうな印象を振りまいたりしない。
「私もツェナさんもまだまだ当分暇ですし、いい暇つぶしはお入り用でしょう〜〜?」
「ごめんなさい。せっかくですけれど、遠慮しておきますね」
 ツェナは頭を下げる。その動きで髪の毛が揺れ、髪飾りが採光窓に照らされ煌めく。
「あらら〜、ツェナさん、まだその髪飾りつけてらっしゃるんですねぇ〜。サビヌさんに買っていただいたものですものね〜」
 正直なところ、ツェナのまとう雰囲気にその髪飾りはあっていなかった。どう表現すればいいのだろうか――そう、ツェナがまとうには少々安っぽいといったところか。
「いいじゃないですかっ。
 そ、それよりも、アゾルデさんって、ご自分でも冒険なさってたと以前お聞きしましたが、なんで冒険譚なんて読まれてるんですか」
「ほんとにツェナさんってば……」
 豪快に真っ赤になった顔に、女僧侶は柔らかい笑みを返す。
「そうですわね、話の種に読んでるんですよ」
 アゾルデは書物をパラパラと無造作にめくる。
「意外そうな顔をしてますわねぇ。旅をしていると、各地でよく旅や冒険の話を求められるんですよ。娯楽が少ないところってありますから、私のような旅人が寄りますとね」
「詩人さんじゃなくても?」
「私のような僧侶も神の教えを広めるために話術の鍛練を積んでますからねぇ〜、頭を剃り上げて両手剣を背負った戦士さんよりは近寄りやすいみたいですねぇ」
 ツェナはわかったようなわからなかったような顔で、先を促す。
「ほんとの旅や冒険って、地味なもんなんですよ。そのまま話すとみなさん寂しそうに帰っていかれるんですよ。
 だから、これなんです」
 アゾルデが再び書物を掲げる。
「書物の話をするんですか? それってば、詐欺じゃありません?」
 ツェナは目を細めて睨みつける。アゾルデは手を振ってそれを打ち消してみせる。
「実際の地味な冒険よりも、こういう冒険譚のエッセンスを注入した話のほうが盛り上がっていいんですよ。私の体験を冒険譚風の味付けで語るだけで、まるっきしの嘘ってわけじゃないですよ〜」
「ほんとかなぁ? アゾルデさんの説話って、おもしろくて人気あるけれど、信じられないようなこと時々混ざってるって聞いたことあります」
「ひどいですわねぇ〜〜、みなさんにわかりやすく話すためにこんなにネタを仕入れてますのに……しくしく」
「えーと、泣き声の擬音を口にする人の話を真に受ける人はあまりいないと思いますけれど」
 ツェナの視線に動じることなく、アゾルデは書物を卓上に戻す。
「とはいえ、これからはまたツェナさんをはじめとする私たちの物語が再開されるようですし、冒険譚を読みふけっている時間はなさそうですね」
「そうそう、だから、私は冒険譚を借りる話を断ったんです。読んでる間に再開気力をなくされると寂しいですから」
 二人は顔を見合わせ、笑みを浮かべた。


TRPGリプレイ〈河賊と指輪〉サンプル

●本編
 今回集まってくれたのは3人のプレイヤーさん。

【GM】:「今日の一話目は洞窟、二話目が下水道、三話目が……ダンジョンって感じかな」

 今回はオニオンワークスで提案している「追加クラス:吟遊詩人」「バッドステータス回復ルール」にくわえ、最近のシステムでいうところのハンドアウトに近い「背景(初期設定+特殊能力)」を採用してキャラクターを作ってもらいました。


○今日の冒険者
・アーシア(戦士、25歳女性)
 性格:頼りにされやすく、礼儀正しく、実は涙もろい(後に→一匹狼)。
 背景:方針の違いで追放された河賊。
 病持ち。

・ユズ=ヒルクライム(吟遊詩人、14歳、男性)
 性格:何にでも首を突っ込みたがり、くよくよしないけれど、理屈っぽい。
 背景:姫王子(有力貴族の子弟)。
 中性的な顔立ちで、そっくりな顔の妹ミカンがいるとか。

・ミラ(僧侶、15歳、女性)
 性格:おせっかいで、夢想家だけど、臆病。
 背景:商売魔法使い(道具の扱いがうまい)。
 回復役としてがんばりつつ、説教がんばる。

 ……あっ、PLとPCの性別がみんな逆だ(笑)。

【ミラ】: 〈夢想家〉って理想主義者みたいなものでいいですか?
【GM】: そうですね。前向きに捉えるならそうです。二次元の美少女が俺の嫁、みたいなのでもいいですよ。
【ユズ】: めんどくさいキャラになったよ〜、〈何にでも首を突っ込みたが〉り、〈くよくよしない〉けれど、〈理屈っぽい〉。最後に〈理屈っぽい〉がきたことでめんどくさ度がUP。
【ミラ】: 「けれど」じゃないね、それ(笑)
【アーシア】: そこの接続詞は変えてもいいみたいですけどね。
 ……って〈頼りにされやすい〉〈頼りにされやすい〉が重なるって、どれだけだよ(笑)
【GM】: 重なった場合は振り直してくださいね〜。
 パールシードは基本的にダンジョンを遊ぶRPGです。PCが多いとすることがなくなってPLが眠く
なります。今回の3人くらいだと眠気が来ずにちょうどよく遊べそうですね。
【ミラ】: PC名か……、Twitter につないで最初にあったツイートをもとに……。
 じゃ、ミラにしよう(謎)。年齢はツイート発言ID に含まれてる数字(1125)を使って15にしよう。
【ユズ】: (カラオケ画面のおすすめ曲をみて……)ユズにしよう。
【アーシア】: (サイコロころころ)「あ」で始まる名前……、アーシアと。
【GM】: さて、「ダンジョンシート」です(複数枚を手に持ってる)
【ミラ】: あれ? そんなに使うんですか?
【GM】: 一人1シナリオ1枚ずつですね。みんな眠らずにすむように、各自マッピングするように推奨されています。めんどくさければマッピングしなくても、かまいません。
 オンラインセッションや、複数電話回線をつないだマルチ回線(呼称: パーティライン)などで各自手元しかみえないときには、各自マッピングしないと遊びにくいでしょう。その辺りも考慮されてデザインされているようです。

※ 「聖珠伝説パールシード」が発表された頃、情報センターキャロットさんがパーティラインを用い、プレイバイフォン(P×P)ネットワークを提供していたようです。

【GM】: 「ダンジョンシート」は、今どきのTRPGでいうところの「レコードシート」に準じる扱いになりますので、セッションの思い出をメモするのもいいですね。メモったダンジョンをもとに、別のTRPGのシナリオをくんでもいいでしょうし。


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